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ゴロー先生のお悩み相談室

くる病

ママの悩み

「くる病」ってどんな病気? その原因と対策を教えて!

Q最近、“くる病”の赤ちゃんが増えているとニュースで知ったのですが、
そもそもどんな病気なの? 予防策を知りたい!
A “くる病”とは、乳幼児の栄養失調や代謝異常によって起こる骨の病気です。戦後しばらくは十分に栄養がとれなかったため、くる病の赤ちゃんが多いものでした。その後は栄養状態も良くなり減少しましたが、近年になって再び、赤ちゃんのくる病が報告されるようになりました。
 そもそも、丈夫な骨を作るためにはカルシウムとタンパク質が必要。そして、骨を成長させるためにはビタミンDが必要です。また、ビタミンDは日光中の紫外線によって活性化されます。これらのどれかが欠けると骨が軟らかいままだったり、伸びなかったり、曲がってしまったりします。その結果、足がO脚になる、身長が伸びないなどの異常が現れるのです。
“足の骨が曲がる病気”と覚えている人が多いようですが、くる病は全身の骨、特に長骨(長い骨)に影響を及ぼします。たとえば、肋骨念珠(ろっこつねんじゅ)といって、肋骨の骨と骨の継ぎ目にしこりのようなものができたり、骨端といって関節の両端が異常に膨らんだりするほか、1~2歳になっても頭がい骨が軟らかく、頭のてっぺんがペコペコした状態のままになるケースも。カルシウム不足により歯の生え方が遅くなることもあります。
 でも、なぜ飽食時代の今、くる病になるのでしょうか? その理由の1つに考えられるのが、離乳遅延です。生後半年ごろになると離乳食が始まり、その後、少しずつ幼児食へと進んでいきます。この時、いつまでも母乳ばかりあげていると、赤ちゃんの成長に必要な栄養素が補えず、ビタミンDが不足しがちになってしまうのです。
 もう1つの理由が、紫外線です。日光を浴びることでビタミンDが生成され、カルシウムの吸収を高めて骨を強くします。しかし、日光を浴びすぎると皮膚ガンの原因になることから、極端に日光を避ける傾向が出てきました。もちろん、肌が焼けるほど日光に当たることは避けた方がいいですが、日光の避け過ぎは代謝不良を招く原因にもなり得ます。こうしたことから、段階に応じた栄養を与えることと、適度に日光を浴びることがくる病の予防になると考えられるでしょう。
 ただ、赤ちゃんのころは成長に個人差があり、それが異常なのか正常なのかは、医者が診ないと判断できません。ですから、月齢ごとの検診は、忘れずに必ず受けてください。それが、くる病の早期発見や予防にもつながるでしょう。

(2014年9月号より)

ゴロー先生の本日のつぶやき

くる病の症状は、歩き始める1歳前後のころにならないとわからないことがほとんどですが、それ以前にも身長が伸びない、頭のてっぺんが軟らかいなど骨の異常から起こる前兆のほか、栄養不足や代謝異常から汗をかきやすい、風邪をひきやすくなる、下痢をしやすくなるなどの症状が見られます。赤ちゃんは成長が早いだけに、たくさんの栄養が必要です。授乳から離乳食へと進む経過で、ビタミンDやカルシウム、タンパク質をはじめ、栄養が偏らないよう気を付けましょう。

巷野悟郎(こうの ごろう)

巷野悟郎(こうの ごろう)

小児科医。東京大学医学部卒業。『赤ちゃんが書かせてくれた?小児科医からママへの手紙』(赤ちゃんとママ社)『こころがホッとするn e w育児法』(講談社)『0歳児・1歳児・2歳児のための乳児保育』(光生館)『保育保健の基礎知識』(日本小児医事出版社)など多くの著書を執筆。

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